こんにちは、サックスガイドのケンです。
アルトサックスを始めたら、やっぱり「自分の好きな曲をかっこよく吹きたい」と思いますよね。基礎練習も大切ですが、知っているメロディーが自分のサックスから聞こえてくる瞬間は、練習を続ける大きな楽しみになります。
ただ、初心者のうちは有名な曲を基準に選ぶより、音域が広すぎないこと、リズムを追いやすいこと、テンポを落としても曲として成立することを重視したほうが最後まで仕上げやすいです。
最初の一曲は「一番かっこいい曲」ではなく、「自分が最後まで吹ける曲」を選ぶのがおすすめ。一曲をきちんと完成させる経験ができれば、そのあとに挑戦する曲の幅がぐっと広がります。
この記事では、初心者が取り組みやすい曲から、アルトサックスらしいかっこよさを味わえる曲、発表会やイベントで盛り上がる曲まで順番に紹介します。
- 初心者が吹きやすいアルトサックス曲の選び方
- 最初の一曲におすすめしたい定番曲
- かっこいいソロを楽しめる人気曲
- 人前で吹くと盛り上がりやすい曲
初心者が曲を選ぶ基準
好きな曲を選ぶことはもちろん大切ですが、初心者の場合は楽譜を少し見ただけで難易度を判断するのが難しいものです。そこで私は、曲名より先に「音域」「リズム」「テンポ」の3点を見ることをおすすめしています。
音域が狭い曲を選ぶ
最初に注目したいのが、楽譜の中で使われている音の高さです。低音から高音まで大きく行き来する曲より、普段練習している音域の中でメロディーが動く曲のほうが吹きやすくなります。
特に始めたばかりの時期は、高音になるほど音が裏返ったり、逆に低音がうまく鳴らなかったりしがちです。運指もまだ完全には身についていないので、大きな音域移動が続くだけでかなり忙しく感じるでしょう。
だから、最初はよく使うドレミを中心に演奏できる初心者向けアレンジから始めるのがおすすめです。同じ曲でも楽譜によって使われる音域は変わるため、曲名だけで判断せず、購入前に見本譜を確認してください。
指使いにまだ自信がない場合は、アルトサックスの運指表も一緒に確認しておくと練習しやすいですよ。
リズムが読みやすい曲を選ぶ
初心者の曲選びでは、音の高さ以上にリズムが重要なことがあります。知っている曲でも、シンコペーションや細かな16分音符が続くと、楽譜を見ながら演奏する難易度は一気に上がります。
最初のうちは、4分音符や2分音符が中心で、メロディーを口ずさみながら追える曲がちょうどいいでしょう。休符の位置も分かりやすい曲なら、息を吸う場所まで考えながら練習できます。
逆に、原曲を聴くとかっこいいからといって、細かなリズムが連続するファンクやジャズのソロへいきなり挑戦すると、運指より先にリズムで止まってしまうこともあります。
楽譜そのものを読むのがまだ大変なら、アルトサックスの楽譜の読み方を確認して、音符の長さと休符から少しずつ覚えていきましょう。
テンポを落として吹ける曲
初心者向けの曲では、ゆっくり練習してもメロディーの形が分かりやすいことも大切です。原曲が速い曲でも、半分程度のテンポから練習できるなら候補にできます。
一方、速さそのものが魅力になっているフレーズは、テンポを大きく落とすと雰囲気がつかみにくくなることがあります。そういう曲は、少し演奏に慣れてから取り組んでも遅くありません。
初心者向け楽譜を選ぶときの目安
曲名の知名度だけでなく、使われる音域、細かな音符の数、テンポを確認してみてください。この3点が自分の現在地に合っている曲ほど、完成までたどり着きやすくなります。
初心者におすすめの吹きやすい曲
ここからは、アルトサックスを始めたばかりでも取り組みやすい曲を紹介します。ただし、同じ曲でも編曲によって難易度はかなり違います。初心者向け、入門向け、やさしいアレンジなどと書かれたアルトサックス用楽譜を選んでください。
聖者の行進
「聖者の行進」は、最初のレパートリーとして使いやすい定番曲です。メロディーを知っている人が多く、音の動きも比較的つかみやすいため、楽譜と耳の両方を使いながら練習できます。
初心者向けアレンジなら同じような音型が何度も登場するので、一度指がつながると先へ進みやすいのも魅力です。最初は音を間違えずに吹くことだけを目標にして、そのあとタンギングをそろえていきましょう。
少し余裕が出たら、音を短めに切ったり、逆になめらかにつないだりすると雰囲気が変わります。簡単な曲だからこそ、吹き方の違いを試しやすい一曲です。
歓喜の歌
ベートーヴェンの「歓喜の歌」の有名なメロディーも、初心者が取り組みやすい曲です。大きな音の跳躍が少ない初心者向けアレンジを選べば、指を順番に動かす練習としても使えます。
テンポを落としても曲が分かりやすいため、メトロノームを使った練習にも向いています。最初は一音ずつ確認し、そのあと2小節、4小節というようにつないでいくとスムーズ。
単純に音を並べるだけではなく、フレーズの終わりまで息を保てるようになると、一気に音楽らしく聞こえてきます。
アメイジンググレイス
「アメイジング・グレイス」は、速い指回しよりも音色を大切にしたい人におすすめです。ゆったりしたメロディーなので、一つひとつの音を落ち着いて鳴らせます。
ただし、ゆっくりした曲は簡単そうに見えて、実際には息の流れが止まると演奏が途切れて聞こえます。そのため、ロングトーンで練習した息の使い方を曲の中で試すのにぴったりです。
音を出した瞬間だけではなく、伸ばしている途中まで音量や音色を保つことを意識してください。初心者でも、丁寧に吹けばアルトサックスらしい柔らかな響きを楽しめます。
パッヘルベルのカノン
「カノン」も、ゆっくりとしたメロディーを楽しみたい初心者におすすめです。アルトサックス用にやさしく編曲された楽譜なら、長めの音を中心に落ち着いて演奏できます。
この曲では、指を速く動かすことよりフレーズをきれいにつなぐことを意識したいところ。音と音の間がぶつ切りにならないよう、息は流したまま指だけを動かす感覚を覚えていきましょう。
ピアノ伴奏や伴奏音源と合わせると、一人で吹くだけでもかなり華やかになります。発表会で初めて演奏する曲としても選びやすいでしょう。
フライミートゥザムーン
少しジャズらしい雰囲気を味わいたいなら「Fly Me to the Moon」も候補です。速すぎない初心者向けアレンジなら、アルトサックスの落ち着いた音色とよく合います。
最初からジャズ特有のノリを完璧に再現しようとすると難しくなるので、まずは譜面どおりの音とリズムを吹ければ十分。そのあと伴奏を聴きながら、少しずつ軽やかな吹き方へ近づけてください。
初心者向けの曲から「ちょっと大人っぽい曲」へ進みたいときに選びやすい一曲です。
かっこいいアルトサックス曲
基本的な運指に慣れてきたら、いよいよアルトサックスらしいかっこいい曲に挑戦したくなります。ここでは、サックスの音色が印象に残りやすい曲を中心に紹介します。原曲が難しいものもあるので、初心者は必ずやさしいアレンジから始めましょう。
ケアレスウィスパー
サックスの印象的なフレーズで知られる「Careless Whisper」は、「サックスを始めたら吹いてみたい」と感じる人が多い曲でしょう。ゆったりしたテンポなのに、数音吹いただけで雰囲気が出やすいのが魅力です。
ただ、音符を並べるだけで原曲のように聞かせるのは意外と難しいところ。音の入り方や長さ、フレーズのつながりがかなり重要だからです。
初心者は装飾や細かなニュアンスをいったん後回しにして、まずメロディーを安定して吹ける状態を目指してください。それだけでも十分かっこよく聞こえます。
ベイカーストリート
「Baker Street」も、サックス好きなら一度は吹いてみたい有名曲です。印象的なサックスフレーズは存在感があり、一人で吹いても曲の雰囲気を出しやすいでしょう。
ポイントは、一音一音を急がないこと。フレーズ自体を覚えていると、つい原曲の勢いで吹きたくなりますが、指が追いつかないまま速くすると音が雑になりがちです。
最初はかなり遅いテンポで音の移り変わりを確認し、間違えずに吹ける速さから少しずつ上げていくのがおすすめです。
Just the Two of Us
「Just the Two of Us」は、アルトサックスでおしゃれな雰囲気を楽しみたい人に合う曲です。メロディーをゆったり歌うように吹けば、激しいテクニックがなくてもサックスらしさを出せます。
こうした曲で大切なのは、全部の音を同じ強さで吹かないことです。フレーズの行き先を考えながら少しだけ音量を変えると、平坦だった演奏に流れが生まれます。
いきなり自由なアドリブへ進む必要はありません。まずメロディーを気持ちよく吹けること。それだけでも十分に楽しめますよ。
ルパン三世のテーマ
勢いのあるアルトサックス曲を探しているなら「ルパン三世のテーマ」は外せません。聴いた瞬間に分かる知名度があり、演奏会やちょっとした余興でも反応を得やすい曲です。
一方、原曲に近いアレンジでは細かなリズムや速いフレーズが登場するため、初心者には少し手ごわく感じるでしょう。
そこで、最初はメロディーを中心にした簡単な譜面がおすすめです。曲の雰囲気を残したまま音数を減らしたアレンジなら、初心者でも「ルパンらしさ」を十分楽しめます。
Tank!
アニメ「カウボーイビバップ」で知られる「Tank!」は、サックスのかっこよさを存分に味わえる曲です。ジャズやビッグバンド系の音が好きなら、いつか挑戦したい一曲ではないでしょうか。
ただし、原曲に近い演奏は速いタンギングや細かなリズムが多く、初心者向けとは言いにくい難易度です。そのため、始めたばかりなら原曲再現を目標にするのではなく、テーマ部分を簡略化した楽譜から入るのがおすすめ。
「吹きたい曲が難しかったから諦める」必要はありません。初心者向けアレンジで一度楽しんで、数か月後に少し難しい譜面へ戻ってくればいいんです。同じ曲を段階的にレベルアップさせるのも、サックスの楽しみ方ですよ。
盛り上がるアルトサックス曲
人前で演奏するなら、自分が吹いて楽しいだけではなく、聴いている人が曲を知っていることも大きな武器になります。ここでは、発表会やイベントで会場の雰囲気を明るくしやすい曲を見ていきましょう。
テキーラ
「Tequila」は、短いフレーズでも雰囲気を作りやすく、サックスで吹くと非常に映える曲です。繰り返しを生かしたアレンジなら、速い指回しが苦手な初心者でも挑戦しやすいでしょう。
この曲は細かな表現より、リズムを崩さず元気よく吹くことを優先したほうが楽しく聞こえます。伴奏音源と一緒に練習すると、休符の取り方や曲全体のノリもつかみやすくなります。
一人で完璧なソロを披露するというより、会場全体で楽しむ感覚の曲。人前で吹く楽しさを味わいたい人にはぴったりです。
インザムード
ビッグバンドの定番「In the Mood」も、サックスと相性のいい盛り上がる曲です。メロディーを聴いたことがある人も多く、軽快なリズムだけで楽しい雰囲気を作れます。
初心者向けの楽譜では、難しいパートを省いてメインの旋律を吹きやすくしたものを選びましょう。最初はジャズらしい吹き方にこだわらず、リズムを正しくそろえるほうが大切です。
余裕が出てきたら、音を少し短めに切る場所を作るだけでも曲の表情が変わります。
名探偵コナンメインテーマ
「名探偵コナン」のメインテーマは、アルトサックスで演奏すると非常に存在感が出る曲です。イントロやメロディーを聴いただけで分かる人が多く、学生から大人まで盛り上がりやすいでしょう。
ただし、原曲に近い譜面はテンポが速く、細かなフレーズも登場します。初心者なら、主旋律を中心にした簡単アレンジを選んでください。
このタイプの曲は、多少音数を減らしてもリズムとメロディーの特徴が残っていれば十分伝わります。難しい部分へ無理に挑戦するより、止まらず最後まで吹けるほうが演奏として気持ちいいですよ。
宝島
T-SQUAREの「宝島」は、吹奏楽でも親しまれている人気曲です。明るく爽快な雰囲気があり、サックスで演奏すると華やかさがよく伝わります。
一方、原曲や本格的な吹奏楽アレンジでは簡単とは言えない部分もあります。そのため初心者は、メロディーを中心にしたソロ用アレンジから始めるといいでしょう。
伴奏に合わせて吹けるようになると、一人の練習でもかなり演奏会らしい気分を楽しめます。基礎的な曲を数曲仕上げたあと、次の目標として選ぶのがおすすめです。
セプテンバー
Earth, Wind & Fireの「September」も、明るく盛り上がる曲を探している人におすすめです。ファンクらしいリズムが特徴なので、アルトサックスで吹くととても華やか。
ただ、見た目以上にリズムが重要な曲でもあります。最初は伴奏と一緒に吹こうとせず、手拍子や声でリズムを確認してから楽器を持つと分かりやすくなります。
原曲の速さへ急いで近づける必要はありません。ゆっくりしたテンポでもリズムを正確に吹ける状態を作り、そのあと少しずつ速度を上げていきましょう。
| 曲名 | 初心者の取り組みやすさ | 雰囲気 | おすすめの始め方 |
|---|---|---|---|
| 聖者の行進 | 取り組みやすい | 明るい | 簡単なメロディー譜 |
| 歓喜の歌 | 取り組みやすい | 堂々 | ゆっくり練習 |
| アメイジング・グレイス | 取り組みやすい | しっとり | ロングトーン重視 |
| Careless Whisper | やや挑戦向け | かっこいい | 主旋律から練習 |
| Baker Street | やや挑戦向け | 力強い | 遅いテンポから |
| ルパン三世のテーマ | やや挑戦向け | 軽快 | 初心者向け編曲 |
| Tank! | 難しめ | ジャズ | 簡略版から挑戦 |
| Tequila | 比較的挑戦しやすい | 陽気 | リズムを優先 |
| 宝島 | やや挑戦向け | 爽快 | 主旋律から練習 |
| September | やや難しめ | ファンク | リズム練習から |
ソロをかっこよく聴かせるコツ
難しい曲を選ばなくても、吹き方を少し意識するだけでソロの印象はかなり変わります。初心者の時期は派手なテクニックより、音の出だし、リズム、フレーズの終わりをそろえるほうが効果的です。
原曲どおりを狙いすぎない
好きな演奏を何度も聴いていると、細かなニュアンスまでそっくり再現したくなるものです。ただ、初心者のうちは原曲の速さや装飾まで全部追いかけると、一番大切なメロディーが崩れてしまいます。
まずは音符とリズムを安定させ、そのあと余裕がある場所だけ表現を加えてください。ビブラートやしゃくり上げるような吹き方も、最初から全部入れる必要はありません。
シンプルでも音がきれいにつながっている演奏のほうが、無理に装飾を入れた演奏よりかっこよく聞こえることはよくあります。
タンギングと休符をそろえる
演奏がぼんやり聞こえるときは、指よりタンギングと休符を確認してみてください。音を出す位置と止める位置がそろうだけで、フレーズがかなり引き締まります。
特に盛り上がるポップスやファンクでは、休符も音楽の一部です。本来休む場所まで音を伸ばしてしまうと、曲のリズムが重たくなってしまいます。
メトロノームを鳴らしながら、音を吹かずに「タ・タ・ウン・タ」のように口でリズムを言ってみるのもおすすめ。楽器を持たない練習も意外と効きます。
ロングトーンで音色を作る
アルトサックスのかっこよさは、速いフレーズだけで決まりません。一つの長い音がきれいに鳴るだけでも、聴いている人には十分印象が残ります。
ロングトーンでは、最初から最後まで息を流し続けることを意識してください。音量が急に落ちたり音程が不安定になったりする場合は、曲へ戻る前に一音だけで確認すると分かりやすいでしょう。
基礎練習と曲練習をどう組み合わせるか迷ったときは、アルトサックスが上手くなる練習順も参考にしてください。
初心者向けの練習手順
曲が決まったら、最初から最後まで何度も通して吹くより、短く分けて練習したほうが仕上がりは早くなります。好きな曲ほど早く完成させたくなりますが、急がないことが結果的な近道です。
一曲を短く区切って練習
まずは2小節から4小節程度に区切り、その部分だけを繰り返してください。指が止まる場所があれば、前後の音を含めた2音、3音だけを抜き出します。
一曲全部を通していると、得意な部分ばかり何度も演奏し、苦手な数秒間がいつまでも残ってしまいます。短く区切れば、練習すべき場所がはっきりします。
できた部分には印を付け、翌日はできなかった場所から始めるのもおすすめです。
メトロノームで遅く吹く
速い曲を練習するときほど、最初は思い切ってテンポを落としましょう。目安の数字にこだわる必要はなく、間違えずに吹ける速さがスタート地点です。
そのテンポで数回続けて吹けたら、少しだけ速くします。そこで崩れたら一度戻る。この繰り返しで十分。
速さだけを追いかけるより、正しい指使いを身体に覚えさせてから速度を上げるほうが、あとで修正する手間も少なくなります。
伴奏に合わせて仕上げる
一人で最後まで吹けるようになったら、伴奏音源へ合わせてみましょう。ここで初めて、休みの長さや入りのタイミングがずれていることに気づく場合があります。
伴奏に遅れてしまうなら、無理についていかず、再びメトロノーム練習へ戻れば大丈夫です。
伴奏を聴く余裕が出てくると、自分一人だけで吹いていたときとは音楽の感じ方も変わります。サックスの音が伴奏の中へ入った瞬間は、かなり楽しいですよ。
曲を練習すると「今日は昨日より速く吹けた」を目標にしがちですが、「昨日より止まらず吹けた」「休符を守れた」でも立派な前進です。速さ以外にも小さなゴールを作ると、練習が続けやすくなります。
楽譜選びで失敗しないポイント
初心者が同じ曲を吹いても、選んだ楽譜によって難しさはまったく違います。「この曲は初心者向けらしい」と聞いて買ったのに難しかった場合、曲ではなくアレンジが合っていない可能性もあります。
アルトサックス用譜面を選ぶ
楽譜を探すときは、アルトサックス用に書かれているものを選ぶのが分かりやすいです。アルトサックスはE♭管の移調楽器なので、ピアノやフルート用の楽譜をそのまま使うと、伴奏と合わせたときに同じ高さになりません。
ヤマハの楽器解説でも、アルトサックスで記譜上のCを吹くと実音ではE♭になることが説明されています。(出典:ヤマハ「The saxophone is a transposing instrument」)
一人でメロディーだけ吹く場合なら別の譜面を利用できる場面もありますが、初心者のうちは移調まで同時に考えると複雑です。まずは「アルトサックス」「E♭」などの表示がある楽譜を選ぶと迷いにくいでしょう。
難易度表記より譜面を見る
「初級」「初心者向け」と書かれていても、自分にとって吹きやすいとは限りません。練習していない高音が多かったり、苦手なリズムが頻繁に出てきたりすることもあります。
可能なら見本の楽譜を見て、知らない運指が何個あるか、細かな16分音符が大量にないか、高音と低音を何度も往復しないかを確認してください。
見た瞬間に全部吹ける必要はありません。「知らないものが少しだけ混ざっている」くらいの楽譜が、次の一曲としてちょうどいいかなと思います。
伴奏音源つきが便利
一人でアルトサックスを楽しむなら、伴奏音源付きの楽譜はかなり便利です。練習中はサックスだけで吹き、完成に近づいたら伴奏を流すという使い方ができます。
同じメロディーでも、コードやリズムが加わると一気に曲らしくなります。また、自分がテンポからずれている場所にも気づきやすくなるでしょう。
ただし、伴奏音源が速すぎる場合は無理に合わせないでください。速度変更できる再生環境があれば遅くして練習し、難しければメトロノームで仕上げてから伴奏へ戻れば大丈夫です。
楽譜を選ぶときの注意
同じ曲でも出版社や編曲者によって音域、調性、難易度、伴奏内容は異なります。楽譜の対応楽器や収録内容などの正確な情報は、購入前に販売元や出版社の公式ページをご確認ください。
難しい曲へ進むタイミング
初心者向けの曲を何曲か吹けるようになると、「そろそろ難しいソロへ進んでもいいかな」と感じるはずです。明確な線引きはありませんが、簡単な曲を止まらず吹けるようになったら次の段階へ進んで構いません。
一曲を止まらず吹ける
多少音を間違えても、最後までテンポを止めずに進めるようになったら大きな成長です。曲を演奏するうえでは、一音のミスより流れを保つことが大切な場面も多くあります。
この状態まで来たら、今までより少し速い曲や、初めて見るリズムが入った楽譜へ挑戦してみましょう。
高音と低音が安定してきた
普段使う音域で音が大きく裏返らず、運指を考える時間も減ってきたら、使う音域を少し広げてもいい時期です。
ただ、一気に最高音や最低音ばかり使う曲へ進む必要はありません。今までの音域に新しい音が一つか二つ追加される程度の曲を選べば、曲練習そのものが運指練習になります。
リズムを身体で感じられる
楽譜の音符を一つずつ数えるだけでなく、伴奏を聴きながら自然に拍を取れるようになると、ポップスやファンクにも挑戦しやすくなります。
ルパン三世のテーマ、September、Tank!のような曲は、音の高さだけ合っていてもリズムが崩れるとかっこよさが出にくいものです。
だからこそ、簡単な曲で拍を感じる経験を積んでから挑戦すると、難しい曲でも「何を練習すればいいか」が分かるようになります。
次の曲は、今の自分が100%吹ける曲より「7割くらいなら何とかなりそう」と感じる曲がおすすめです。難しすぎないけれど、新しい運指やリズムが少しだけある。このくらいが楽しくレベルアップしやすいですよ。
アルトサックス曲の疑問
最後に、初心者が曲を選ぶときによく出てくる疑問をまとめます。難易度だけでなく、練習方法や楽譜の選び方も一緒に確認してください。
アルトサックス曲のよくある質問
Q1. アルトサックス初心者の最初の一曲は何がおすすめですか?
A. 「聖者の行進」「歓喜の歌」「アメイジング・グレイス」など、メロディーを知っていてリズムを追いやすい曲がおすすめです。ただし難易度は編曲によって変わるため、初心者向けのアルトサックス用楽譜を選んでください。
Q2. 初心者でもかっこいいサックス曲を吹けますか?
A. 吹けます。「Careless Whisper」や「Baker Street」のような曲でも、主旋律を簡単にしたアレンジなら挑戦できます。原曲どおりの装飾や速さを最初から狙わず、まずメロディーをきれいに吹くことを優先しましょう。
Q3. 盛り上がる曲で初心者向けなのはどれですか?
A. 初心者向けアレンジなら「Tequila」や「In the Mood」などが候補です。知名度が高く、伴奏と合わせると雰囲気を出しやすいでしょう。名探偵コナンのメインテーマや宝島も人気ですが、原曲に近い譜面は難しくなるので簡単な編曲を選んでください。
Q4. 楽譜が読めなくても好きな曲から始めていいですか?
A. 好きな曲から始めても大丈夫です。ただ、耳だけで全部覚えようとすると難しい曲もあります。最初は音の高さとリズムを分けて確認し、短いフレーズごとに楽譜と音を結び付けていくと覚えやすくなります。
Q5. 一曲を吹けるまで何曲も並行して練習していいですか?
A. 気分転換として複数曲を吹くのは問題ありません。ただ、初心者のうちは仕上げる曲を一曲決めるのがおすすめです。一曲を最後まで完成させると、運指、リズム、息継ぎ、伴奏との合わせ方まで一通り経験でき、次の曲にも生かせます。
アルトサックス曲のまとめ
アルトサックスを始めると、かっこいい曲や有名なサックスソロへすぐ挑戦したくなります。ただ、最初の一曲で大切なのは知名度や派手さより、今の自分が最後まで吹けることです。
- 初心者は音域が狭くリズムが読みやすい曲から始める
- 同じ曲でも初心者向けアレンジを選ぶと難易度を下げられる
- かっこいい曲は原曲再現より主旋律を安定させることを優先する
- 盛り上がる曲では音数よりリズムとテンポを大切にする
- 簡単な曲を完成させてから少しずつ難しい曲へ進む
初心者は「吹いてみたい曲」と「今吹ける曲」の間にある一曲を選ぶのが一番続けやすいかなと思います。
まずは聖者の行進やアメイジング・グレイスのような吹きやすい曲を一曲仕上げ、そのあとCareless Whisper、ルパン三世のテーマ、宝島と少しずつレパートリーを広げていきましょう。
昨日までただの音だったものが、ある日ちゃんと「曲」に聞こえる。その瞬間こそ、アルトサックスを練習していて一番うれしい時間の一つです。あなたが本当に吹いてみたい一曲へ、焦らず一歩ずつ近づいてみてください。
